普通にしてても溢れてきそうな涙



出てくるな!出てくるな!


こんなところで泣いちゃいけない!


あたしはうつむいて、唇を噛み締めた



「うわぁ…キレイ…見て見て!小秋ちゃん!」



葉月ちゃんは外を指差して、すごく目を輝かせて言ったから


あたしも葉月ちゃんが指をさした方をみた


そこに見えたのは、もうすぐ海に沈んでしまいそうな夕日があった


海に夕日が映ってて、すごくキレイ…



「ほんとだ…キレイ…」



あまりにも、キレイ過ぎて…


あまりにも、切な過ぎて…


我慢していた涙が溢れだした



「魁!見て!すごいキレイだよ!」


「うわ!すげぇ…なぁ?碼凪斗



嫌でも聞こえてくる会話…


本当は聞きたくないわけじゃない