「起こすもなにも状況が理解できない」


「は?もしかして、昨日のこと何も覚えてないの?」

「そう…みたい」



覚えてるのは、家に帰ってびしょ濡れになったから、風呂に入って…


ベッドで一休みしようとしたところまで


確か、急に体がだるくなったような気がする…



「昨日、あたしに電話がかかってきて、びっくりしてここに来ると倒れてるあんたがいたの」


「え?俺がお前に電話かけたのか?」


「そう。誰と間違えてかけたのかは分からないけどね」



そういって美乃里は腕を組んで、俺を見てる


…誰と間違えた?



「その誰って誰だよ」


「知らないわよ。…あ、でも、しきりに゛のり゛って言ってた」



のり?


もしかしてっ!