本当は、先生を早く帰したかった


でも、出来なかった…



もう、先生のあんなに辛そうな顔を見たくなかったから



胸が痛い…



心が痛いよ…



好きな人の幸せを願うことが、こんなにも辛いなんて思わなかった…



こんなにも涙が出るなんて、思わなかった…



「…好きぃーっ…」



あなたが他の人を想っていたとしても



今はまだ、忘れることが出来ないよ



だから、せめて想うことだけでも許して…



ピロピロリン…



携帯にメールが届いた



『ミノ、ありがとう…本当にありがとう』



「…ばーか」



先生を幸せに出来なかったなら、あたしが奪いにいくから



幸せにならなきゃ、許さないんだから




雪が降り始めた空を見上げた



…先生、幸せになって




END