「…いってぇ!!」


「すすすすすいません!!」


「いや、大丈夫…そんな高いヒール履いて慣れてもないダンスを踊れってのも難しいだろ?」


「うぅ…すいません……」


「休憩するか」


「はい…」


マスターはグラスに某有名スポーツドリンクを注ぐと無言で私に差し出した


「有難うございます…ご主人様、一つ聞いてもいいですか?」


「ん?なんだ?」


「練習にこの様な洒落た格好をする必要はあったのでしょうか?」


「あぁ、今後は普通の動きやすい格好で練習するぞ?」


「じゃぁ、なんで今日だけ…?」


「吉瀬がキラッキラの目で『今日だけでも着込んだ姿で二人とも練習して下さい!!』って懇願してきた。というより押しつけてきた」


「あぁ…あははは…あーあ…」


その様子が鮮やかに、そして簡単に想像出来るのだから困ったものだ


「14時ごろに写真を撮りに来るそうだ」


「あと30分、と言った所ですかね…」


「だな」


「でも、またどうして14時なんでしょう?」


「1つの仕事が終わる大体の時間が14時なのか、もしくは休憩時間が14時なのか。どっちかだろうな」


「なるほど…」


「よし、そろそろ練習再開すっぞ!!」


「はい!!」