溺愛プリンス


篤さんの運転する車で、遊園地まで1時間。
ルームミラー越しに時々目が合って、ドキドキした。

思わずにやけてるあたしの事、なぜか草介くんが睨んでいて。

……ま、負けないんだから!






「すごい人ですね」



入場券を買おうと、チケット売り場にはたくさんの人だかりが出来ていた。

その人の多さに思わずためらっていると、不意にポンッと髪を撫でられてハッとして顔を上げる。
視線を上げると、篤さんが覗き込むようにしてあたしを目を合わせた。



「ここで待っててね。俺行ってくるから」



そう言って、草介くんの頭もクシャリと撫でて、篤さんは人混みの中に消えてしまった。


篤さん……。


「……、……」



ぼんやりとその背中を追いかけていると、いきなりお尻に衝撃が走った。



「っ……たぁ!」



小さく飛び跳ねながら振り返ると。
すぐそばであたしを睨む……。



「そ、草介くん……なに?」

「なにじゃねーよ。さっきから呼んでんだろ」

「へ?」


そ、そうだった?

あたし、ボーっとして……。
……て、言うか。この子なに?これが、目上の人に対する態度なのっ!!?

いくら、まだ社会の事わかってない子供だからって……。


「あのね、草介くん? 女の人のお尻、つねっちゃダメよ?」

「はあ?お前の尻なんて別に興味ねーよ」

「なっ……!」


ずっと、ずっと思ってた事言ってもいい?


……こんの、クソガキ!