キャンドルの優しい光の中。
椅子の背に身を預けたハルは、あたしをジッと見つめていた。

その瞳の奥が、オレンジに揺れてる。
口元をほころばせ、スッと目を細めたハル。



ドキン



胸が勝手に跳ねあがる。
これは……この雰囲気のせいだ。



「……な、なんですか」



首を傾げたあたしから視線を逸らしたハルは、窓の外に視線を移す。




「お前は、幸せそうに食事をするんだな」

「え?」



ポツリと言った言葉はやっと届くほど小さくて。



「うまいか?」

「え……あ、はい。すごく」



コクリと頷くと、ハルは嬉しそうな笑顔を見せた。


その笑顔がなぜか胸に響いて……。
奥の奥に湧き上がった何かに、スーッとしみこんでいく気がした。




トクン

トクン




そんな自分の気持ちがよくわからなくて、モヤモヤする。

調子狂うな……。


なんだかハルの顔を直視できなくて
俯いた、その瞬間――……