溺愛プリンス




―――リゴ――ン
    リゴ―――ン



祝福の鐘の音が、青く澄み渡った空に響き渡る。




真っ白な無数の鳥の群れが、その中を飛び回る。
それを、なんとも言えない気持ちで見上げていた。


今日と言う日を迎えられたこと。

俺の隣に、彼女がいるキセキ。



柄にもなく胸に迫る想いがして、すぐそばにいる愛おしい彼女の手をギュッと包み込んだ。





「志穂さまー!」




ちょうどその時、志穂の名前を呼ぶ民衆の声が耳に入り、ハッとした。

視線だけを落とすと、志穂は慣れないながらも、小さく手を振ってその声に応えている。
その顔は桜色に染まっている。

たったそれだけの仕草なのに、愛おしいとさえ思えてしまう。


その横顔をジッと見つめていると、そんな俺に気付いた志穂が顔を上げた。
今朝の出来事からようやく機嫌を直したらしい。



「みんなハルのこと大好きなんだね……すっごい歓声」

「…………」



わかっていた事だが、これからの人生、志穂には不自由な想いをさせてしまう。
俺と一緒になるということは、そう言う事なのだから……。