真っ白な肌が、桜色にそまるその顔。
潤んだ瞳が、俺を見つめた。
「なにを……考えてたの?」
見透かされていた。
吐息も触れる距離でお互いを見つめ、俺はその頬を指先でなぞる。
「……思い出してたんだ。桜の花を」
「さくら?」
首を傾げた志穂。
頬、首筋をなで、ぷっくりと熟れた唇に親指を割り込ませる。
志穂の瞳が震え、俺はその唇の端にチュッと口づけた。
とめどなく溢れる愛おしいと思うこの気持ち。
もしこれが、あの人と同じ血……と言うのなら、それに感謝したいと思う。
たくさんの人たちの中から、小野田志穂とという女性とめぐり合わせてくれたんだから。
キスだけじゃ足りない。
シーツに志穂の手を縫いとめると、息をつきながら彼女を見下ろす。
「抱いていいか?」
「……え……でも、」
なにか言いかけた志穂の言葉ごと飲みこむように口づければ、小さな抵抗が返ってくる。
何度も甘いキスを繰り返していると、その抵抗もなくなった。
「志穂……」
「……ハル」
お互いを見つめ合い、求めるようにその距離を縮めた、まさにその時だった。



