毎日1日中どこにいても聞こえてくる俺に向けられる視線。 慣れとはなんと恐ろしいことか。 でも、少なからずウンザリしていた。 どこの国の女も変わらないな。 俺が王子だから、俺の地位に色目を使われる日々。 目の前の小説の文字をなんとなく眺めていたその時だった。 『桜がお似合いだわ』 そんな声が聞こえてきて、ふと我に返る。 桜? ああ、そうだ。 俺は下ばかり見て……。 ようやく貼り付けていた視線を外して頭上を仰ぐ。