溺愛プリンス



ハルは、手を引いてあたしとの距離を縮めてくる。



「本当は、すぐに帰るつもりだったんだ。 だけど帰れなくなった」



まっすぐに、視線は逸らさないまま。



「桜より、前を見て歩く姿に惹かれたんだ。 気になって、気になって仕方なかった。
こーゆうのを、一目惚れって言うんだろ?」


父さんも、母さんを一目見て気に入ったって言うんだから、血は争えないなって笑われた、そう言って苦笑するハルを茫然と見つめる。



「…………」



一目惚れ……ハルが?
ちょ、ちょっと、待って……。

この話の流れだと……。



「じゃ、じゃあハルは、最初っからあたしの事が好きだったってこと!?」


思わず身を乗り出すと、一瞬押し黙ったハルは照れくさそうに目を細めて見せた。


「……気付いてなかったのか?」

「き、気付かないよ!」



だって、ただの王子様のお戯れかなんかだと!
からかわれてると思ってたもん!