溺愛プリンス




それからしばらくして、話を終えて戻ってきたハルと無言のままファブリック家に戻ってきた。

ベルト王は、このお屋敷を正式にハルに与えたって、そう言えばクロードさんに聞いたっけ。
で、ハルと婚約したあたしも、必然的にこのお屋敷が住まいとなっていた。





その日の夜。

ベッドに入ってウトウトしていると、遠慮がちに部屋のドアがノックされた。



「……は、はい」



慌てて寝着の上にショールを羽織り、ベッドから飛び降りた。




「志穂? 俺」



ハルだ!

急いでドアを開けると、ホッとしたようにハルは眉を下げた。




「ごめん。寝てたか?」



力なくそう言ったハル。
あたしは、首をふるとハルを部屋に招き入れた。


ハルも部屋着だ。
眠れなかったのかな。

ベルト王と話をしてから、ずっとなにか考えるように難しい顔をしていたハル。


ハルは、ベッドにドサッと腰を落とすと、すぐに両手を広げた。



「志穂、抱きしめさせて」

「え?」