溺愛プリンス



「陛下。どうかされましたか?」



…………。

このかわりよう……。



今度はあたしに背を向ける形になったハルの顔は見えないけど。
天使の微笑みを浮かべてるに違いなかった。


……お父さんとの確執は、まだ治っていない。
と言うか、ハルが壁を作っている。



あたしはハルの隣に並んで、ベルト王に向かって膝を折ってお辞儀をした。




「うむ。 お前に謝っておきたくてな」

「…………」



チラリとハルを見上げると、仮面の笑顔を消して複雑そうに顔を歪めていた。


ハルのお父さんは、あたしに言ってくれたことをちゃんとハルにも伝えた方がいい。
ちゃんと、ハルカさんのことも想っていたと。



「志穂。 すぐ戻る」

「ん」


少しだけ考えを巡らせたハルは、小さくそう言ってベルト王の元へ一歩を進めた。


時間はかかるかもしれない。
それでも、きっと。

ちょっとずつでも、わかりあえたら。



そう思う。