「見ろ。ジュリオットだ」
「!」
ジュリオット?
あの人が…………。
淡いブロンドの髪。
ハルと同じ、瑠璃色の瞳。
真っ白なマシュマロみたいな肌。
甘い蜂蜜みたいな微笑みの彼女が……ジュリオット姫?
おとぎ話のお姫様が現実世界に飛び出して来たみたいな、そんな儚い雰囲気に胸がドクンとはねた。
ぼんやりしていたハルの肩にそっと小さな手を乗せたジュリオット。
フワフワの髪を耳にかけながら、座ったままのハルを覗き込む。
彼女を見上げたハルは、フッと口元をほころばせた。
「……」
笑ってる……。
時間が、止まっちゃったみたい。
どこからか、小鳥のさえずりが聴こえる。
……そうだ。
小鳥みたいだ。
小さくて……可愛い。
ハルの、結婚相手……。
「…………」
「ジュリオットが近くにいたら、ハルを連れ出すのは厳しいな。いくらアイツでも……」
すぐそばでマルクがなにか言ってる。
でも、あたしの耳にはなにも入ってこなくて……。
すり抜けていくだけで……。
ただ、絵画のようなふたりをここから眺めることしか出来なかった。



