溺愛プリンス




「……、て、お前!」



へ?


その声……聞き覚えあるような……?


恐る恐るその声の主を見上げた。




……………、


「あ?」

「”あ?”、じゃねぇよ! こんなとこでなにしてんだアンタたち」



呆れたような、怒ってるようなそんな声でそう言ったのは。
舞踏会の時に、あたしをエスコートしてくれた男の人だった。



ずいぶんとラフな格好の彼。
でも、どうしてこの人がここに?


腕を組んでなんだか偉そうにふんぞり返った彼をポカンと見つめる。
すると、ベスがいきなりドアを開けたと思ったら、彼の腕を引っ張って車の中に引きづり込んだ。



「おわっ!な、なにすんだよあぶねぇな」

「黙ってマルク!」

「……っ……」



え、ま、マルク?

後部座席に、あたし、ベス……マルクでいきなり窮屈になって固まってしまう。



ふたり知り合い?って、当たり前か。
ベスの紹介でこの人にエスコートお願いしたんだもんね。