溺愛プリンス


クロードさんは強張ったあたしの肩にポンと手を乗せる。



「……、辛くて悲しい選択を迫られたとしても、きっと。
志穂さまらしい答えを導いてくれると……、身勝手かもしれませんが、信じておりました」



ポン、ポンと跳ねた手。
あたたかくて、優しくて、そして力強いそのぬくもりになんだか泣きそうになってしまう。


クロードさんは持っていた林檎をカゴの中に戻すと、パッとあたしを見下ろした。



「行きましょう!
ハロルドさまに逢いに! そして、王子を誘拐しましょう!」


「は、はいっっ!」




そう言ってパチン!と力強く手を叩いたクロードさん。


あたしが頷いたのを確認して、「では準備いたします」ってさっさと台所を出て行ってしまった。




そのままひとり、取り残されたあたし。
台所にいた使用人の人にも「がんばってください」なんて応援されて、ハッとする。



あれ?

まって……、なんかクロードさん、大変なこと言ってなかった?