溺愛プリンス



「ハロルドが結婚することになりました」




…………。




…………………、え?





水をうったような静けさ。
理解するよりも早く、気が付いた時にはホール内は割れんばかりの拍手と歓声に包まれていた。



え、え? えええええっ!


今、 今……なん、て……。
ベルト王は、今、なんて言ったの?



押しつぶされそうなほどの大歓声に、呆然と立ち尽くしてしまう。

目が離せない。
瞬きも……出来ない。


ちょ、ちょっと待って、結婚って……。
あたし、そんな話一言も聞いてない!

それに、そもそもあたしたち、つ、付き合ってるの?
王様に挨拶のしてないのに……。




「正式な発表はまだですが、ここにいる皆様には先にお伝えします」




ベルト王が、笑ってる。

満足そうに、両手を広げ……そして、振り返った。




伏し目がちの、ハル。
無表情のまま、表情一つ崩さずに、一歩前に歩み出た。


…………ハル?



ベルト王はハルの肩に触れながら、もう一度高らかに宣言した。