溺愛プリンス



――次の日。

あたしは朝からそわそわ落ち着かなかった。

理由なんてただひとつ。
今夜宮廷で開催される舞踏会に行くために、あたしはここまでやってきたんだから。


一週間ぶんの、つらく厳しい思い出が蘇る。
今朝なんか、緊張しすぎてせっかくメイドさんが用意してくれたごはん、全然食べられなかった……。




「はあ……」


あたし、こんなで大丈夫かな。





テラスでぼんやりと空を眺めていると、誰かが部屋のドアをノックした。


「志穂」

「は、はい!」


返事をする前に思い切りドアが開く。
満面の笑みで現れたのは、ハルの妹、ベストリアだった。





「そろそろお時間よ!着替えましょ」

「……はい」



ゴクリ。



思わず生唾を呑み込んだ。




ベスに続いてメイドさんが2人。
それから最後にクロードさんが部屋に入ってきた。
その手には、煌びやかなドレス。




……ん?



んんんんんっ!?



「ちょ、そ、そのドレス……!」