溺愛プリンス



鼻腔をくすぐる、甘い紅茶の香り。
添えられたスコーンと、クリームがお昼からなにも食べてないあたしの空腹を誘った。



お屋敷の中の、広い広い庭が一望できるテラスに通されたあたし。
緊張がとけないまま、対面して座った女の人を見た。



「まずは、自己紹介からするわね。
あたしは、ベストリア・A・ローズベルト。ハロルドの妹よ」

「い、妹……!?」


なんだ、てっきり婚約者とか、そういうハルのお相手だと思ってた。


なんだ……そうだんだ。妹さん…………、ん?

て、ことは……ハルは、王子様だから……この人はプリンセス!?


ますます緊張したあたしが、ピンと背筋を伸ばすとクスリと笑う気配がした。



「そんなに警戒しないで?あたしの事はベスって呼んでちょうだい?
あなたとは同じ年なんだし」

「……で、でで、出来ません!そんな……失礼なこと」


ベ、ベス!? 呼べないよぉ……。