溺愛プリンス



ドクン!




『……あ、あの……ハル……』

『黙ってろ』



艶っぽく潤んだその瞳に見据えられて。
言葉を飲み込んだ。

手首を、布団に抑え込まれた。
あたしに覆いかぶさるハル。

左側の大きな窓から青白い月明かりが、その妖艶な姿をくっきりと浮かび上がらせる。


濡れた瞳。
薄く開いた唇。
はだけた浴衣。

……鎖骨。


ハルは、キレイ。
怖いくらい、キレイだと思った。

息も、瞬きも忘れるくらい。




『――……安心しろ。今に俺のことしか考えられないようにしてやるから』




……え?



掠れた声が耳たぶをかすめたかと思うと、不意に近づいた唇。
太ももにゆっくりと熱っぽい手が……。


『っ……』


その瞬間、あたしは弾かれたように……。






ハルを、突き飛ばしていた。