溺愛プリンス



「言ってみろ。ちゃんと聞いてやるから」



ハル……。



「俺に、どうして欲しい?」



……そんなの決まってる。




「っ、あ……あたし…………」




視界が滲む。
止まっていた涙が溢れだす。



たくさんの人に囲まれたハル。
その笑顔にこたえる、王子様のハル。
すっごく美人な女の人をそばにおくハル。



それでも、あたし…………あなたに……。









「……っ、そばに、いて欲しい……」




とめどなく流れる涙で、ハルが見えない。
それでも目を逸らすことが出来なくて……。



気が付いた時には、強い強い力で、抱きしめられていた。



震える手でその背中に腕を回せば、耳たぶに触れる熱い吐息。
小さく息を吸い込むのがわかって、



「お前が望むなら。いくらでも、そばにいてやる」



切ないくらいの優しい声がした。