「はあっ、はあっ……!」
転がるように廊下を走り、玄関ロビーから外へ飛び出した。
駐車場を出ようとする、一台の車が見えて慌てて追いかける。
あれにハルが乗ってる!
ハルが行っちゃう!
「待って………っ、きゃ」
急がなきゃって、焦れば焦るほど足は空回り、そのままスリッパが脱げてアスファルトに転がり込んでしまった。
「っ……!」
車のテールランプが遠くに見える。
ユラユラ揺れて、そのまま消えていく。
ハルが、いなくなる。
ポロポロと頬を伝う涙。
それは手の甲に落ち、血がにじんだ傷口にジワリとしみる。
イタイ。
イタイよ……。
胸が痛い。
「ぅ……ハ、ル……、ハル!」
去って行く背中にたまらずそう叫んだ。
その時だった。
……ジャリ。
すぐ後ろで、足音がして誘われるように振り返った。



