「あのハロルド様が、本当の自分を見せるのはなぜかあなただ。
納得はできませんが、あなたはハロルド様に気に入られている。
それは、事実です。
公務をすべて投げ捨てて”ここ”へ来ている意味、理解できませんか?」
「…………」
「”私”は、理解して頂かなくともまったくもって構いませんが」
ショーンさんは苛立たしげにそう言って、小さく頭を下げると部屋から出て行ってしまった。
1人、残された部屋。
呆然としたまま、力なく座椅子に体を預けた。
公務を、投げ捨てた?
なんで、そんなこと……。
頭の中、グチャグチャだ。
ハルの言葉、ショーンさんの言葉。
篤さん、茜の言葉。
……ブラウン管の中の王子としてのハルの姿。
その全部が、ものすごい勢いで頭の中を駆け巡ってる。
少しでも気を抜けばショートしちゃいそう。
住む世界が違う人。
本当なら手の届かない人。
ハルは、王子様なのに……。
あたしなんかが、ダメなのに……。
それでも……。
それでも、あたしはハルに……。



