溺愛プリンス



「ん。ウマいな、これ!」

「…………」



ハルは、上機嫌だ。

お刺身の盛り合わせ、Aランクの和牛をつかったステーキ。
山の幸の天ぷら……これでもかって程の贅沢なお料理たち。

ハルはそれをパクッと口に運ぶたびに、「うん、うまい」って笑顔を零した。
あたしは自分の料理に手を付けられずに、そんなハルを眺めている事しか出来なくて。


しばらくして、持っていた端をテーブルの上に戻し、意を決して身を乗り出した。




「あ、あの!ハル」

「―――なんだ?」




ようやく口を開いたあたしに、ハルは目を細めた。
その瞳が、いつもと違って見える。


それは、あたしがハルを見る目が少しだけ違うからなのだろうか。



「…………」



ドキンって胸が鳴って、キュッと唇を噛みしめた。


だ、ダメダメ。
ときめいたってダメ。

テレビで観た、あのブロンドの人がハルのお相手なんだから。

自分に言い聞かせながら、言葉を探す。



「1人、なんですか?」



いつもハルのかたわらにいる、ハルのお付の人の姿が見当たらない。
公務をこなすハルの傍にも、ショーンさんはいた。