高い空から降り注ぐ太陽の光を、なんの障害もなく直に浴びる。



「あったかい‥」

「これから嫌ってくらい世話になるから。太陽様に挨拶しとけ」



私の頭をぐしゃぐしゃと撫で回したヒロくんは、ニカッと綺麗な白い歯を見せた。


踏みしめる大地に
通り過ぎる風に
仰ぎ見る空に

眩しく照らす太陽に



「よろしくお願いしますっ!!」



私は勢い良く頭を下げた。



「ぷっ、ははははははははははははははははっ」



ヒロくんの笑い声がすがすがしい大気に響いて、葉桜をさわさわと揺らす。



「大空さま」

「ん、さんきゅ」



いつもヒロくんと一緒に病室に来るお姉さんは、天井のない真っ赤な車の扉を開けて、一礼した。



「ほら翼っ」

「あ、うん」



背中を押されるまま乗り込んだその車。



「ねえヒロくん」

「んあ?」

「車って、天井ないの?」



クツクツと腹筋を揺らしながら笑ってるヒロくんは、私の頭を引き寄せながらまだ笑ってた。



「天井あったほうが良いか?」

「え?」

「出せばあるよ」



どーいうことだか意味がわからない。



「せっかくの外だし、ない方が良いかと思ってこの車にしたんだけど?」



そう言ってにっこり笑うヒロくん。



え‥とーー‥あっ♪



「ありがとっ、ヒロくん」

「ん~っ!その顔もすげー可愛いーなー♪」



ぐちゃぐちゃに撫で回された私は、学校に着く前に髪の毛がわっさわさであります。