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白い箱の中で生きてきた。



『おまえは、16さいになったら“みょうじ”がかわるんだ』

『なんで?』

『なんでもっ。おまえはおれとおなじ“みょうじ”になるのっ』

『それって、キミんちのコになるってこと?』

『うーん‥ちょっとちがうけど、いまはそれでイイや』



差し伸べられた手。



『“かぞく”になることにはかわりねーしっ』



ニシシっと元気良く歯を見せながら笑った男の子。


その手には、

器用に折り紙で作られたチューリップが‥


ゆらゆら、ユラユラ、



---‥揺れていた。





始まりは、チューリップ。