翔は私を人気のない階段まで連れてきた。

『…手…離して』

「離したら逃げるだろ」

『逃げないから』

「はぁ…で、何で避けんの」

『しつこいなぁっ!!私一人に避けられたって変わりないでしょ!?』

「変わるんだょっ!!お前一人だとしても…ッ………かょ…」

『…え?何…?最後聞こえなッ……グイッ

『…ンッ…や、ぁ…!!』

翔に無理矢理キスされた。
ファーストキス、だったのに…
でも、男の子の力にかなうわけもなく、私の抵抗も無駄だった

息が苦しくなった私は、必死に翔の胸を叩いた。

「…」

『何で…こんなことするのッ…気もないクセに…ファースト、キスだったのに…!!』

ついに、涙が溢れてきた。

「好きだからだょっ…好きなんだよ、お前のことが…」

『…ッ…』

「俺、ずっと…」

『…私は、…今恋とかしてる場合じゃない…』

「…そっか」

『…じゃあね』

タッ

それだけ翔に伝えると、私は屋上へ向かった。