LOVE★sick




先輩には迷惑はかけない。



それだけは決めてる。



トイレから出たあたしは、ママのもとに戻った。



「もうすぐ時間だからね」

「うん…」

「大丈夫、だいじょうぶ。天歌は恭の娘なんだから、なんとかなるわよ」

「うん、」



パパの娘だからってのはわかんないけど、頑張る。



あたしの気持ちを伝える、そんな些細な事かもしれないけど、先輩に悲しい顔はさせない。



ママに部屋の前まで案内してもらった。



この扉の向こうに先輩のお父さんがいる。



さあ行くんだ、あたし。




―――トントン





「―――失礼します」