体育祭の先輩の好走が、さらに先輩人気に火をつけた。 だからあたしに向けられる視線も痛い痛い…。 「で、何してんの?」 「秘密です!!」 「桐野が気にするような事じゃないから。杉山さんを口説いてるわけじゃないから」 「ふーん…」 先輩は聞いたわりには気にしてないようだった。 田渕部長との話の内容は言えないよ。 先輩本人のことだし。 「はぁ〜…」 先輩は席着いてから、窓の外をずっと見てる。 しかも先輩では珍しいため息まで。 「………」 「………」 あたしは田渕部長とアイコンタクトをとる。