いつも遅刻の先輩が朝からいるとか珍しいけど、開会式には出なかったんだ……。 「じゃ、俺は行くから」 「はい、また後で!!」 田渕部長とわかれて、救護テントに向かった。 今日はまだ先輩と会えてないから、なんかつまんない。 先輩は最後の体育祭なのにな。 「騎馬戦始まるから、用意しておいて」 「はいっ」 養護の先生に言われて、端に置いてあった救急箱を開けて用意する。 騎馬戦の一回戦が終わると、怪我人が運ばれてくる。 「こっちも手当ておねがい」 「はーい」 さっきまでとは一変、忙しい。