「……んだよ、田渕」
田渕部長の声と、ドアが開く音、
そして聞き覚えがある声がしたのは同時だった。
「あっ……」
「へぇ〜…」
先輩はあたし達に気付いてないのか、田渕部長にしか見えてないのか。
はたまた……―――
「意外と早かったな」
「暇だったから、ここに向かってたんだよ」
「ここは漫研の部室だっつーの。お前の暇潰しの場所じゃねーの」
「つーか、結局呼ばれて来たんだから、意味ねぇだろ。で、用は?」
「あぁ、この子が……」
ようやく目をこっちに向けた先輩。
あたしの目はたぶん、キラキラしてた。
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