「ヤバい……」 「ん?」 あれは確実に優姫だ。 うん、間違いない。 あたしにチケットくれたのにも、あっちを優先したからで…。 優姫と鉢合わせしたら、デートを邪魔されかねない!! 「天歌、こっち」 「はいっ」 もう入場したし、席に着けば、優姫と会う心配はない。 だけど、上映が終わったら……。 「楽しくない?」 「えっ?」 「心ここにあらず?」 「楽しいです!!」 ダメダメっ。 今は先輩といるんだから、優姫のこと考えちゃダメ!! 今日はデートなの!!