そう思ったけれど
 聞けるはずもなくて


 「そうなんだ…」


 相槌を打つしかできなかった


 「なんか変な話して悪いな」

 「ううん…」

 なんで、そんな悲しそうに笑うの?


 「今日はここまでー」


 先生の声が響いた


 「…じゃあ、私用事あるから!
 ばいばいっ」

 私はそれ以上悲しげな夏を
 見ていたくなくて
 用事も無いのにPC室から走り出た