「約束……」

先輩はグランドに背を向け私を覆う。

「…キス、していい?」

先輩の甘い声に、声を出すことができなくなって私は小さく頷いて目を閉じた。

先輩はフッと笑うと、ゆっくり私の唇に触れた。

時間が止まっているような気がした。

周りの音も、すべて断ち切られて先輩だけを感じた。

先輩がそっと唇を離す。

私も静かに目を開ける。

先輩は私の頭をぽんぽんと撫でるとそのまま抱き寄せてくれた。

「先輩…?」

「…今ので、ちょっと理性ぶっ飛んだかも」

そう笑ってまた私の頬にキスをする。


キャンプファイヤーは今だに闇の中で激しく燃えて、私達を照らしていた。