センパイのカノジョ


「由莉!」

ゴールテープを切ってそのまま私のところへ走ってきた。

「おめでとうございま…きゃっ」

私に抱き着く先輩。

「せ、先輩…恥ずかしっ…」

周りには先輩から後輩までたくさんの人が見ていた。

「橋木さん、ゴール確認するから旗の下について…」

係員の生徒が先輩を呼ぶ。

「ちぇー、じゃあまた後でな」

「は、はい…」

先輩の後ろ姿を見送ると、真奈ちゃんが笑った。

「あんな約束してたとはね!」

「恥ずかしかった……」

「嬉しかったくせに〜」


100メートルの競技が終わり、お昼休みとなった。

教室に戻り昼食をとる。