「褒めても何も出ないからね〜?」
その日は、そんな会話をしながら日が落ちるまで練習を続けた。
「じゃあまた明日ね〜!」
校門で皆と別れた直後に後ろから声を掛けられる。
「由ー莉!」
そこには部活あがりの京介先輩の姿があった。
「京介先輩!!」
「今帰り?」
「騎馬戦の練習してて…」
「じゃあ一緒に帰るか」
「はいっ!」
久しぶりに二人で並んで歩く。
今日は自然に先輩から手を繋いできてくれた。
「先輩はリレーの他に何出るんですか?」
「俺は100メートルと200メートル」
さすが先輩、走る種目ばっかだった。

