ファミレスを出ると、外はもう薄暗くなっていた。

「そろそろ帰るかー」

「そうですね…」

「何?寂しいの?」

先輩が私の顔を覗き込む。

「べっ、別にそんなんじゃ…っ」

…てか先輩、顔近いってば!

「ふうん?俺は寂しいよ」

「え…っ」

「何でもない。ほら、帰るぞ」

先輩の横顔は少し赤くなっていて、初めて見た先輩の表情に私は少し嬉しさを覚えた。


私は先輩の手をきゅっと握る。

すると、先輩も私の手を強く握り返してきてくれた。