心の中はガッツポースだった。先生に指示されて席に座るとき彼女は、僕の方にチラッと視線を送り、少し微笑んでくれた。そして、きっちり背筋が伸びた姿勢で、先生の方を向いた。
間違いなく単純な僕は、その時から既に心を奪われていた。
そもそも、クラスの他の女子は、パンタロンなんか履かないし、軽く微笑むなんて芸当はしなかった。
「わたなべ、学級委員長なんだから、昼休みにでも、学校の中とか、案内してやれ」
そう先生が僕に言うと、後ろの和也が、「ひゅー」と冷やかした。うれしい反面、少し気も重くなった。大体、男4人兄弟の次男として育てられた僕は、おちゃらけてはいたくせに、女の子を相手にするの、は大の苦手だったのだ。昼休みになり、勇気を出して真夏に声をかけ、学校内を軽く案内し会話を交わした。
「なして、秋田さ来たの?」
「実はわしなぁ、そんなにはひどくないんじゃけど、喘息持ちなんじゃ。前に住んでたとこは空気がよくないゆうて、母の実家がこっちにあるけぇ、しばらくこっちに住むことになったんよ。」
間違いなく単純な僕は、その時から既に心を奪われていた。
そもそも、クラスの他の女子は、パンタロンなんか履かないし、軽く微笑むなんて芸当はしなかった。
「わたなべ、学級委員長なんだから、昼休みにでも、学校の中とか、案内してやれ」
そう先生が僕に言うと、後ろの和也が、「ひゅー」と冷やかした。うれしい反面、少し気も重くなった。大体、男4人兄弟の次男として育てられた僕は、おちゃらけてはいたくせに、女の子を相手にするの、は大の苦手だったのだ。昼休みになり、勇気を出して真夏に声をかけ、学校内を軽く案内し会話を交わした。
「なして、秋田さ来たの?」
「実はわしなぁ、そんなにはひどくないんじゃけど、喘息持ちなんじゃ。前に住んでたとこは空気がよくないゆうて、母の実家がこっちにあるけぇ、しばらくこっちに住むことになったんよ。」
