はぁ、はぁ、と息を切らしながら、真夏も驚いている。実は、自分もいつもは父が運転する車に乗って通るばかりだったので、自転車でこの坂を通るのは初めてだった
距離にしておよそ二百メートル程度だろうか、一直線の急な坂道を登りきると、暫く平坦な道が続き、今度は曲がりくねった下り坂に入った。
五人の編隊は、競うように、スピードを上げて、少し、順序を入れ替えながら下っていく。
肩まで伸びた髪を、気持ちよさそうになびかせながら、真夏が僕の脇をすり抜けて行った。海が近づいて来ると、道路脇の民家が増え、潮の香りが強烈に漂ってきた。おそらく海の匂いと言うより、近辺の漁師の軒先に干してある、網や漁に使う道具を干すときに香るものなのだろう。そうして、海沿いの道に出た。
「おー」
皆で大袈裟に歓声を上げた。
初夏の青空に映えた海は、どこまでも澄んでいた。海鳥が舞い、海水浴シーズン前の浜辺はとても綺麗で、静かだった。僕達は、海沿いの道をさらに三十分程走り、目的地である鵜ノ崎海岸に着いた。
皆で自転車を止め、海岸沿いの護岸コンクリートに腰掛けて、コップに注いだ水筒の水を一気に飲み干した。
「でぇれぇ、きれいじゃ」
距離にしておよそ二百メートル程度だろうか、一直線の急な坂道を登りきると、暫く平坦な道が続き、今度は曲がりくねった下り坂に入った。
五人の編隊は、競うように、スピードを上げて、少し、順序を入れ替えながら下っていく。
肩まで伸びた髪を、気持ちよさそうになびかせながら、真夏が僕の脇をすり抜けて行った。海が近づいて来ると、道路脇の民家が増え、潮の香りが強烈に漂ってきた。おそらく海の匂いと言うより、近辺の漁師の軒先に干してある、網や漁に使う道具を干すときに香るものなのだろう。そうして、海沿いの道に出た。
「おー」
皆で大袈裟に歓声を上げた。
初夏の青空に映えた海は、どこまでも澄んでいた。海鳥が舞い、海水浴シーズン前の浜辺はとても綺麗で、静かだった。僕達は、海沿いの道をさらに三十分程走り、目的地である鵜ノ崎海岸に着いた。
皆で自転車を止め、海岸沿いの護岸コンクリートに腰掛けて、コップに注いだ水筒の水を一気に飲み干した。
「でぇれぇ、きれいじゃ」
