喘息と言う病気がどんなものであるのか、当時の僕はよく分からなかったが、空気が汚いと良くないのだということは理解できた。

 確かにここは空気は綺麗だろう。それよりも、彼女の話す言葉に僕はびっくりしていた。

「わし・・・・って、それ広島弁が?」

「あっ、やっぱりおかしいかのぉ。直さんと、いけんのじゃろぅけど、そんなすぐに直らんわ・・一年生のときにも、一年間こっちにおったんじゃけど、結局広島弁、直らんかったんよ。やっぱ、変かのぉ」

 そういうと、彼女は黙ってしまった。

「いや、変ということはねぇーけど、『わし』っていうのは、よぐねぇかもしんねぇなぁ。なんか、こっちじゃ、『わし』っていうのはじいさんの言葉だがら・・・」

「そっかぁ、気ぃつけるわ。忠告ありがとう、変じゃったらゆうてな」

「なんも、変だなんて・・、ところで、前にも、こっちにいたこどあったのか?でも、おら君のこと知らねなぁ」