恋と狼と陸上と…

私達はそれから砂浜に2人で並んで座った。


夜の海は真っ暗でただ波の音がするだけ。


夜の波の音は昼間のワクワクするようなものではなかった。


低く轟き、どこまでもさらわれて行きそうな恐怖さえ感じる音だった。


「夜の海って怖い…漆黒の闇に連れて行かれそう…」


私がそういうと、圭吾さんは手を握ってくれた。


「ありがとう。本当に魔法の手だ。怖くなくなる。圭吾さんってすごいね」


私はすっかりパパに手を握ってもらっているような気になった。


子供のころの安心感がよみがえる。


守られている心地よさに、圭吾さんの肩に頭をもたれた。