恋と狼と陸上と…

私はまだ0.01秒が頭から離れなかった。


たった0.01秒。でも負けは負け。


県大会には行けない。・・・私は負けたんだ・・・


私は流れゆく街並みや、バイクが切っていく風を感じながらずっと0.01秒のことを考えていた。


バイクは町をぬけて、海に出た。


オレンジ色の太陽を浴びて、海は赤く染まっていた。間もなく日没だろう。


バイクは海の駐車場に止まった。


まだ海水浴には早いからか、車もまばらだった。


私はバイクから降りて、ヘルメットを取った。


圭吾さんもバイクから降りて、ヘルメットを取り、髪をかきあげた。その仕草がすごく色っぽかった。


今日は黒いシャツを3段目まで開けて、黒いパンツをはいている。


スタイルのいい圭吾さんはたったそれだけで誰よりもかっこよく見えた。