恋と狼と陸上と…

私はその場にしばらく立ちすくんでしまった。


そして観客席の圭吾さんのいた右端を見た。


もうそこには圭吾さんの姿はなかった。


私はとぼとぼと歩き始めた。


「おしかったね。0.01秒だって。0.01秒の差だったんだって」


クロちゃんが駆け寄ってきて言った。


「そっか。0.01か・・・」


私はつぶやくように言った。


私は会う人会う人に


「おしかったね。0.01なんて悔しいね」

って言われた。