だから私は部活に打ち込んだ。もうすぐ大会がある。


昨年私は中学最後の夏、200mの決勝で、0・03秒の差で県大会に行けなかった。


1年でも2年でも行ったのに最後の年に行けなかった…悔しかった。


私はあの悔しさを思い出して走ることで、圭吾さんのことを忘れようと思った。


私は人より、早く練習を始めて、最後まで残って練習をした。


圭吾さんのことを忘れるように・・・

0.03秒で負けないように・・・


私は必死に頑張った。


苦手なスタートを何度も何度も繰り返した。


腕を引くタイミング、スターティングブロックの足の位置。0.03秒負けないために、圭吾さんを忘れるために頑張った。