私だってあんなにかっこいい人が私と付き合ってくれうるとは思わない。それくらいわかっている。


でも私は自分でも気づかないうちに、あの時の人・圭吾さんを思い出すたびに、どんどん好きになって行っていた。


「ならいいけど、綾が傷つく前に忘れた方がいいかもね？」


美世は真剣に言っている。


「そうだね。喧嘩する人なんて怖いもんね」

私は心にもないことを言った。


私は圭吾さんを怖いとは思っていない。


でも美世が心配してくれてるのがわかったから、敢えて私はそう言った。