「ウルフくらいになると売られるの!でもさぁ、相手がウルフって言うのはどうだろうね?綾は大丈夫なのかな?」


美世は難しい顔をした。


「どういうこと?」


私は小首をはかしげた。


「ウルフは女の子と付き合わないらしいから、振られちゃうよきっと・・・」


美世は眉毛を下げて、心配そうな悲しげな顔で言った。


「やだ、美世ったら。私だって付き合うなんて大それたことまで考えてなかったわよ!!…それにあの人がそんな怖い人だったなんて知らなかったから、それがわかってよかったよ。私とウルフじゃ釣り合わないしね」


私は敢えて明るく言った。


それは半分本当で半分嘘だった。