恋と狼と陸上と…

「でもあれが真岡圭吾・通称ウルフなの!」

美世は私の顔を掴んで、顔を近付けて言った。


「嘘?信じられない・・・」


私はまだ信じられないけど、ここまで美世が真剣に言うんだから絶対嘘ではないのだろう。


「私の方が信じられないよ。ウルフがお金出してくれたり、おんぶしてくれたり、手をつないでくれたり、バイクにまで乗せたなんて・・・あり得ないよ」


そういうと、美世は掴んだ手を離し、ゆっくりと教室にむかって歩きだした。


あり得ないようなことだったんだ。圭吾さんが私にしてくれたことって・・・


圭吾さんはそんな人なんだ・・・私が好きになりかけていた人は、街で一番喧嘩の強い、一匹狼のウルフだったんだ。


私の知っている優しい圭吾さん、みんなの知っている喧嘩が強い一匹狼の圭吾さん、どっちが本物の圭吾さん?