恋と狼と陸上と…

「は?何よ?遅れたらあの毛ゴリラに後片付けさせられちゃうよ!」


私はあの毛を見ているだけで、気持ち悪くなる。


「さっきの真岡さんってさあ、ウルフだよ!」


美世は私の顔を覗き込んでゆっくりと言った。


「へ?ウルフって、前に食堂で見損ねた喧嘩が強いって言う不良のウルフ?」


「不良って言うのとは違う気がするけど、あの一番人気のウルフ!!」


「うっそだぁ。だってすごく優しいし、安心できるあったかい人だよ。私には喧嘩するような不良には思えないよ」


私はあんなに優しくて、温かくて、私に安心感を与えてくれた手の持ち主が、ウルフだとはどうしても思えなかった。


あの手が人を殴る手だとは思えない。