「なんでよ!絵里さんなら3年だし、心当たりがあるかも知れないじゃん!聞いてみようよ!!」

美世が真剣な顔で言った。


その言い方に意地悪さはなく、本当に私のために聞いてみようと言ってくれたように思えた。


「・・・うん、そうだね」


私は絵里さんに話すことを承諾した。


「今、私達、綾乃の出逢った優しいイケメンのバイクの男の子っていうのを探しているんですけど、心当たりありません?」


美世が絵里さんに噛み砕いて聞いてくれた。


「優しいバイクのイケメン?そうねぇ、優しいって言うのはちょっと違う気がするけど、イケメンのバイクっていうのにはヒットする人がいるわ。その人の特徴は?」


絵里さんは私を見て、首をちょっとかしげた。


「えっと、目はちょっとつり上がっていて、すぅっと通った鼻筋、薄い唇にシャープなあごのライン。
髪は茶色くてくせ毛で、自然な感じにうねってました。シャツのボタンを2つめまで開けて、緩くネクタイを結んでました」


私がそう言うと、「うーん」と絵里さんは腕組みをして考え込んでいる。