恋と狼と陸上と…

「つかまってろよ」

その人はバイクにブオーンという低いエンジン音をたてさせた。


右手をまわし、ブオンブオンとエンジンを吹かす。



そのうちにゆっくりと走り出した。


始めて乗るバイク。思ったより気持ちが良かった。いや、最高に気持ちが良かった。



フィールドを走るときと同じ。


風を切る感覚が走っている時のようだった。


左に曲がるとき、走っている感覚で一緒になって左へ体を傾けた。



本当に走っているときと同じ爽快感があった。


「気持ちいい!」



私はエンジン音に負けないように、しがみついている前のその人に言った。


その人は静かに頷いた。