恋と狼と陸上と…

「家どこ?」


その人の言葉はいつも短い。


「つつじ公園の近くです」



私が言うとその人はまた無言で歩きだした。


駅に行く道よりも暗い住宅街の道。



でも魔法の手に守られている私は怖くない。


始めて会った人に暗い住宅街に連れて行かれているのに、私はちっともその人に警戒なんてしなかった。



繋いだ手がすごく優しくて温かかったから。


しばらく歩くと、その人は手をつないだまま、
マンションの駐車場に入って行った。